医療 DX
病院経営支援プラットフォーム開発(SaaS化プロジェクトの事例紹介)
背景と課題
システムの背景
病院の経営層は、財務管理、医療の質の向上、人事・労務管理、施設・設備の管理など多岐にわたる業務領域を管理する必要があります。これらの業務を的確かつ継続的に遂行するためには、正確かつリアルタイムなデータに基づく意思決定が不可欠です。しかし、情報が各部門に分散されているため、経営判断に必要な情報を即時に取得することが困難という課題がありました。こうした背景のもと、「病院経営支援プラットフォーム」が誕生され、病院全体の情報を一元化し、精度の高いデータに基づいた経営判断を可能にします。
クライアント概要
本プロジェクトのクライアントは、「ヘルスケア × IT × 経営」に特化したコンサルティング会社で、全国の医療法人に向けて病院経営プラットフォームの開発・導入支援を行っています。
ソリューション
プロジェクト概要
クライアント様は以前より病院経営DXを支援するプラットフォームをお持ちでしたが、Cybozuのkintoneをベースに構築された既存システムには以下のような課題がありました。
- ユーザー数の増加に伴うシステムパフォーマンスの低下
- 他システムとの連携にかかる工数(時間・人員)の増大
- 新機能追加や要件変更への柔軟な対応が困難
これらの課題を根本から解決するため、クライアント様とともに病院経営の実務に即したSaaS型プラットフォームへの再構築プロジェクトを推進。 柔軟性・拡張性・保守性を兼ね備えたアーキテクチャを採用し、今後の事業成長にも耐えうるシステム基盤を構築しました。
Omi Japanは医療業界における豊富な知見と経験を活かし、デザインコンサルティングから開発、導入後の運用支援までをワンストップで提供しました。病院経営・業務を深く理解した上で、現場にフィットした最適なソリューションを実現しています。
主な機能は以下となります:
1. 経営分析・管理機能
- 収益や財務(PL・BS)、病棟・診療科・医師別の実績を可視化・分析。目標と実績を自動で集計し、収益改善を支援
- 各部門(入院・外来・薬剤・リハビリ・検査・財務など)に応じた帳票出力に対応(CSVやExcel連携も可能)
2. 地域連携室支援機能
- 入退院予定の共有、カレンダー管理、ベッド会議資料作成をサポート
- 将来のベッド稼働率予測が可能
- 紹介・逆紹介の状況を一覧で管理でき、患者データベースや地域別統計も提供
3. システム連携・セキュリティ
厚労省などのガイドラインに準拠したセキュリティ体制で、主要な電子カルテや財務・介護・人事システムと柔軟に連携(DB・CSV・API対応)
成果
- SaaS版プラットフォームとして無事にリリースできた
- ユーザー数の増加にも対応する安定したパフォーマンスを確保
- システム間連携の効率化により運用コストを削減
- 新機能追加や拡張への対応力を大幅に向上
- AWS活用による高い可用性とセキュリティを確保(自動バックアップと迅速な復旧対応)
今後の展望
今後は、病院ごとの個別ニーズに応じた機能カスタマイズを進め、より柔軟かつ高効率な病院経営の支援を目指します。さらに、AI技術を活用したベッドコントロールの最適化や、リアルタイム分析による経営予測など、より高度な経営支援機能の実装を予定しています。
PJのサイズ
- 開発期間:1年間
- 開発工数:170人月(新規開発フェーズ)、1人月(保守フェーズ)
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