検査ラボ DX
臨床検査システム導入事例:検査依頼・受注業務のデジタル化
背景と課題
今回のクライアント様は、臨床検査分野において国内トップシェアを誇る大手検査機関様です。全国各地に複数の検査ラボを展開し、日々膨大な検体を処理されています。
近年、検査需要の急増や既存システムの老朽化を受け、より柔軟かつ高精度な検査発注・受注体制の構築が急務となり、全社的な業務改革プロジェクトが発足しました。
Omi Japanは構想段階からお客様と密に連携し、業務全体を網羅する新システムの企画・設計・開発を一貫してご支援いたしました。
ソリューション
提供ソリューション
Omi Japanでは、システムの複雑性と関係部門の多様さを踏まえ、以下のような多層構造のWebシステムおよびモバイルアプリを構築いたしました。
1. Webシステム(6種)
- 病院向けサイト
- グループ病院向けサイト
- 検査ラボ向けサイト
- 営業部門向けサイト
- 管理者向けサイト
- 集荷担当者向けサイト
各サイトには、それぞれの利用者の業務フローに最適化された機能を搭載し、部門間の円滑な連携を可能にしています。
2. モバイルアプリ
検体集荷業務を支援する専用アプリを開発。現場でのバーコードスキャンや集荷状況のリアルタイム更新が可能です。
各サイトの主な機能
病院向けサイト
- 検査依頼の作成・アップロード
- 検査履歴の確認・管理
- 検査結果の通知およびレポートのダウンロード
- 患者向け検査予約機能
グループ病院向けサイト
- グループ内病院ユーザーの管理
- 検査依頼情報の一元管理
- 検体の移動履歴管理
検査ラボ向けサイト
- 依頼内容の受付・進捗管理
- 検査結果の登録・修正・通知
- 検体の移動・保管管理
- ユーザー管理
営業向けサイト
- 顧客情報・プロジェクト情報の管理
- 検査グループ単位での進捗把握
管理者向けサイト
- 検査項目・テンプレート・試薬等のマスタデータ管理
- 医療機関・ラボ・グループ病院の登録管理
- メール送信履歴の確認
- 運用サポート・障害対応履歴の管理
集荷担当者向けWeb/アプリ
- 医療機関ごとの集荷リストの管理
- 検体バーコードのスキャン(手動/一括)
- 集荷状況のリアルタイム更新
Omi Japanの対応力と工夫
本プロジェクトでは、関係者が多岐にわたることに加え、仕様変更やスケジュール調整が頻繁に発生しましたが、Omi Japanは以下のような取り組みにより、柔軟かつ確実に対応いたしました。
業務と技術を理解する体制の構築
臨床検査業務に精通したエンジニアと、システムアーキテクトをバランスよく配置。要件変更時にも業務面・技術面の両側から即時判断・ご提案できる体制を整えました。
柔軟なスケジュール管理
優先度に応じたタスク再編成およびチーム内リソースの最適化により、品質を維持しつつ納期を厳守しました。
積極的な改善提案の実施
受け入れテスト中に発見された課題については、単なる修正対応にとどまらず、原因の深掘りと再発防止策を含めたご提案を行いました。
成果
本システム導入後、クライアント様の業務において以下のような成果が得られました。
- 業務効率の向上:検査依頼から結果報告までのプロセスを自動化することで、手作業を大幅に削減。ヒューマンエラーの抑制や業務の標準化が実現され、全体の業務効率が飛躍的に向上しました。
- 精度・一貫性の向上:情報の一元管理により、データの整合性および再現性が確保されました。これにより、トレーサビリティ対応や法令順守の体制も強化されました。
- 時間・コストの削減:各種業務の処理時間が短縮されたことで、運用コストの最適化が図られ、生産性の向上に寄与しています。
また、本プロジェクトを通じて、Omi Japanの専門性、技術力、そして頻繁な仕様変更やスケジュール調整への柔軟かつ誠実な対応姿勢について、クライアント様から非常に高い評価をいただきました。その結果、現在では新たなシステム開発のご依頼も継続的にいただいており、Omi Japanは同社の信頼できる開発パートナーとして、より密接な関係を築いております。
PJのサイズ
- 対応工程:要件定義、詳細設計、開発、テスト、受入
- 開発規模:162人月(プロジェクト全体)
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