医療 DX
看護過程演習支援教育用電子カルテの開発
背景と課題
看護教育の現場では、高齢化や医療ニーズの高度化を背景に、限られた実習機会の中でも質の高い臨床・在宅看護教育を提供することが求められています。
一方で、模擬患者の情報やケースシナリオが紙や個別ファイルで管理されている場合、患者プロフィール、治療経過、検査結果、看護計画などの情報が分散し、教育内容の標準化や振り返りが困難になるという課題がありました。
また、学校や医療機関ごとに学生・教員・管理者の役割や権限が異なるにもかかわらず、それを柔軟に反映できる看護学習管理システムが不足しており、学習進捗や教材の視聴状況を定量的に把握する仕組みも整っておらず、教育の質にバラつきが生じやすいという問題も顕在化していました。
こうした背景から、複数の教育機関・医療施設で共通して利用できる、看護過程演習向けのマルチテナント型教育用電子カルテシステムの構築が検討されました。

クライアントについて
本プロジェクトのクライアントは、日本国内において看護・医療系教育機関向けにeラーニングサービスや実習支援ソリューションを提供している教育テック企業です。
模擬患者ケースを活用した実践的な看護教育の普及を目指し、病院実習および在宅・地域ケアの両面をカバーする学習プラットフォームの企画・運営に取り組まれています。
ソリューション
本システムは、模擬患者情報、学習コンテンツを一元管理し、看護教育における病院実習および在宅看護実習の双方を支援するWebアプリケーションです。
システムは二つのコンポーネントで構成されています。
① 教員・学生・管理者が利用する教育用電子カルテ兼学習プラットフォームです。
② 複数施設の利用状況、契約情報、教材を横断的に管理する管理者向けシステムです。
Omi Japanは本プロジェクトにおいて、新規開発として要件定義支援からアーキテクチャ設計、実装、テスト、インフラ構築、リリースまでを一貫して担当し、リリース後の運用・保守にも継続的に携わっています。
主な機能
① 学習プラットフォームWebアプリ
- 役割別権限管理(管理者・教員・学生)
- フロア/病室ごとの模擬患者一覧表示および絞り込み
- 患者の基本情報・処方・検査・看護計画などの詳細表示
- 教材動画・資料・テストのアップロード/閲覧
- 模擬患者の一括インポートおよび施設間コピー
- 日本語・英語対応、病院実習ケースと在宅看護ケースへの対応
- 在宅看護向けの訪問スケジュール管理機能
② 管理システム
- 施設ごとの患者数・学習状況を可視化するダッシュボード
- 学習ログ・動画視聴状況の集計・分析
- ユーザー管理と権限設定(教員・学生)
- 患者情報・ユーザー情報・学習ログの抽出/エクスポート
- 教材コンテンツおよびサービスプラン・利用状況の管理
成果
本プロジェクトにより、複数の教育機関・医療施設で共通利用可能な、看護教育用電子カルテが構築され、紙媒体や個別ファイルに分散していた模擬事例・ケース情報の一元管理と、病院実習・在宅看護実習を通じた継続的な学習支援が可能となりました。

クライアントからは、豊富で実践的な模擬事例を用いて学内演習・代替実習を体系的に設計できるようになり、「教育・実践・研究」のバランスを取りながら臨地実習の質を高められる点や、電子カルテ上で学生の学習状況を把握し評価・フィードバックできる点について高い評価をいただいています。
今後もOmi Japanは、本システムの保守・運用を継続しつつ、ログ分析や学習効果の可視化機能の強化、在宅看護や多職種連携教育への対応拡充を通じて、看護教育DXのさらなる推進に貢献していきます。
PJのサイズ
- 開発期間:7ヶ月
- 工数: 約46人月
- 技術スタック
- フロントエンド/バックエンド:PHP(Laravel)、JavaScript
- インフラ:Amazon Web Services(AWS RDS、ECS、Route53、 S3/SQSなど)
- コンテナ・実行環境:Docker、Nginx+PHP-FPM
- CI/CD:Git を用いた自動デプロイパイプライン
- ログ・モニタリング:Amazon CloudWatch Logs/CloudWatch Logs Insights
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