臨床検査 DX
臨床検査結果データ連携アプリ開発事例
背景と課題
本プロジェクトのクライアントは、日本国内の臨床検査業界におけるリーディングカンパニーの研究開発拠点です。
同社は臨床検査、セルフチェック、AI技術の活用、さらにはオープンイノベーションを通じ、「一人ひとりに最適なヘルスケアの実現」をビジョンに掲げ、積極的な開発を推進されています。
今回は、県主導のプロジェクトへの参画にあたり、県内すべての臨床検査機関からの検査結果を一元的に集約・共有する仕組みの構築を目指し、Omi Japanに開発をご依頼いただきました。
ソリューション
システムの特長
本システムでは、全医療機関から収集した臨床検査結果データをクラウド上の共通データベースに格納し、参加医療機関のユーザーが安全に閲覧できる仕組みを実現しています。
主な機能
- 閉域ネットワーク内での検査データ共有基盤の構築
- SS-MIXディレクトリからの検査データ取り込み機能
- 取り込んだデータを蓄積・管理するリポジトリ機能
- JSON形式など柔軟なデータレイアウトへの変換機能
- 単独医療機関向けの検査結果ビューア機能の提供
プロジェクトの進め方と工夫
本システムでは、各医療機関の検査データをHL7形式に準拠した共通データベースに集約していますが、医療機関ごとにデータ構造や項目定義が異なるという課題が存在しました。
Omi Japanでは、各医療機関のデータ項目をHL7標準フィールドへとマッピングすることで、整合性のあるデータ統合を実現。また、検査項目についてもJLAC10コードに準拠することが原則ですが、現場では標準コードに該当しないケースも多く、これらについてはクライアントとの密な連携のもと、手作業によるマッピングを丁寧に実施しました。
さらに、格納データは2,000万件以上におよぶ大規模なものであり、当初の処理には最大8時間を要していましたが、アーキテクチャの最適化をご提案し、最終的には処理時間を1.5時間まで大幅に短縮することに成功しました。
成果
本プロジェクトでは、以下の点についてクライアントより高い評価をいただきました。
- 安定稼働と納期遵守:大容量データにも対応した高品質なシステムを、スケジュール通りに納品。
- 技術提案力:業務理解に基づいた的確なアーキテクチャ設計および性能最適化を実現。
- 柔軟かつ迅速な対応:BrSEを中心に、明確な技術説明とスピーディな対応を継続。
- 高いプロ意識:短納期でも品質を妥協せず、常に前向きな姿勢でプロジェクトを遂行。
PJのサイズ
対応工程
- データ変換処理設計
- Web画面設計
- バッチ処理設計
- データベース設計
技術スタック
- Web:AngularJS
- サーバー:Java 8 (Spring, TERASOLUNA Server Framework)
- データベース:MySQL 5.7
- アプリケーションサーバー:Tomcat
プロジェクト期間
2021年4月〜現在(保守継続中)
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