ヘルスケア DX
慢性疾患(高血圧)向け遠隔モニタリングシステムの開発事例
背景と課題
クライアント企業の概要
弊社のクライアントは、グローバルに展開する医療IT企業であり、個人向けから医療機関向けまで、幅広いソリューションを提供しています。日本国内はもとより、世界各国の病院やクリニックにおいても、電子カルテ(EMR)や遠隔モニタリングを実現するシステム開発に注力しており、医療現場のDXを推進する重要なプレーヤーとして高く評価されています。
また、医療機器分野においても業界トップクラスのシェアを有し、現在では世界100カ国以上で製品が導入されています。
ソリューション
ソリューション概要
本システムは、英国の大手病院に導入されることを前提に開発されました。英国では、電子カルテ(EMR)の普及率が100%に達しており、遠隔医療に関する制度も成熟しています。
従来の対面診療における血圧測定は、測定頻度が限られていたり、緊張による数値の変動が大きいなどの課題がありました。そこで、本システムでは、患者が日常的に自宅で測定したデータを蓄積・分析し、医師との連携を強化することで、より的確な診療判断を可能としています。
Omi Japanは、要件定義から詳細設計、開発、テストに至るまでを一貫して担当しました。プロジェクトでは日本語と英語の両言語でのコミュニケーション体制を構築し、グローバルな開発体制を整えました。
システムの特長
患者用スマートフォンアプリ
- 自宅で測定した血圧データをアプリ経由で病院に送信可能。来院不要で定期モニタリングが実現。
- 測定・服薬スケジュールの通知機能により、患者のコンプライアンスを向上。
- 目標血圧に対する現在の数値を評価し、異常値の場合には自動アラートを表示。
- 血圧推移をグラフで可視化し、自己管理を支援。
- 高血圧に関する研究・治療法・家庭でのケア方法など、豊富な情報リソースを提供。
医師向け管理画面
- 英国内の病院における高血圧治療プログラムの一元管理が可能。
- NICE(英国国立医療技術評価機構)のガイドラインに準拠した治療提案アルゴリズムを搭載(第三者機関と連携)。
- 異常値や一定期間利用のない患者に対する自動通知機能。
- 血圧指標をグラフ形式でレポート出力。
- 診療優先順位の整理・リマインド機能により、医師の業務を効率化。
- EMR(電子カルテ)と連携し、住民情報、検査結果、既往歴などの統合管理が可能。
成果
システムは予定通りリリースされ、英国の大手病院で導入されたことにより大きな注目を集めました。
患者の生活習慣データに基づいたきめ細やかな診療が可能となり、遠隔医療の新たなベストプラクティスとして評価を得ています。現在も継続的な運用・改善が行われており、今後他国展開も視野に入れた拡張が期待されています。
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技術スタック
- フロントエンド:Angular
- バックエンド:Python
- iOSアプリ:Swift
- Androidアプリ:Kotlin
- インフラ:AWS
体制
- 新規開発期間:約17ヶ月(2022年1月~2023年5月)
- 開発規模:月平均50名体制
- 保守運用フェーズ(2023年6月~現在):8名体制(開発6名、DevOps 1名、BA 1名)
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