ヘルスケア DX
かかりつけ医コミュニケーションシステム導入事例
背景と課題
導入の背景
厚生労働省は2015年10月、「患者のための薬局ビジョン」を策定し、患者中心の医薬分業を推進してきました。その一環として、2016年4月には「かかりつけ薬剤師制度」が開始されました。
しかし、制度開始から数年が経過した現在でも、かかりつけ薬剤師を持つ患者の割合は依然として低く、主な理由として以下のような課題が挙げられます:
- 病気が少なく、必要性を感じない
- 信頼できる薬剤師の選び方が分からない
- どこでかかりつけ薬剤師を探せば良いか分からない
これらの課題を解決し、かかりつけ薬剤師制度の活用を促進するために、本システムの開発が始まりました。
クライアント企業について
本プロジェクトのクライアントは、日本国内で薬局や医療機関向けのソフトウェアソリューションを展開している医療IT企業です。主力事業として、電子カルテ、レセプトコンピューター、電子薬歴などのソフトウェア開発・販売・サポートを展開しており、全国の官公立病院や大学病院、地域のクリニックや薬局との取引実績を有しています。特に医療DXの推進において先進的な取り組みを行っており、電子処方箋や地域医療連携に対応したシステム提供など、現場のニーズに即したソリューションを展開している点が評価されています。
ソリューション
本アプリは、患者と薬剤師をより密接に結びつけることを目的に、Omi Japanによって開発され、「かかりつけ薬剤師制度」の定着と活用を支援することを目的としています。
Omi Japanは、本プロジェクトにおいて詳細設計、実装、テスト、デプロイ支援を担当しました。
- 電子処方箋の送信機能:患者が処方内容を事前に薬局に送信し、来局時の待ち時間を短縮
- オンライン服薬相談:薬の使い方、副作用などに関して、薬剤師とリアルタイムで相談可能
- 服薬後フォローアップ:服薬の継続支援や服薬状況のモニタリング
成果
本プロジェクトでは、患者と薬剤師との間の信頼関係を強化し、継続的な健康管理を支援する「かかりつけ医コミュニケーションシステム」の開発に成功しました。
ただし、制度開始直後という市場の需要がまだ十分に形成されていない時期にリリースされたため、初期の段階では大きな普及には至りませんでした。現在は、当初の機能をベースにしながらも、より市場ニーズに即した別のサービスとして再構築が進められています。
Omi Japanは、今後も医療・ヘルスケア分野において、テクノロジーを通じた価値創造を支援してまいります。
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プロジェクト体制・技術情報
- 開発期間:12ヶ月
- 総工数:25人月(新規開発)
使用技術
- フロントエンド:AngularJS
- バックエンド:CakePHP、Phalcon PHP、Node.js + Socket.io
- モバイル:
- Android版:Java
- iOS版:Objective-C + Realm, FCM
- インフラ(AWS):
- EC2、Route 53、API Gateway、IAM
- CloudFront、CloudWatch、ELB、S3、CloudSearch、ElastiCache
- データベース:RDS(MySQL)、DynamoDB(NoSQL)
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