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ME機器管理システム開発事例のご紹介

ME機器管理システムとは、医療機関内で使用される多種多様な医療機器(Medical Engineering、以下ME機器)の情報を一元的に管理し、購入から廃棄に至るまでのライフサイクル全体を効率的かつ安全に運用するための情報システムです。具体的には、機器台帳の整備、保守・点検計画の立案と実施記録、貸出・返却状況の把握、使用履歴の追跡などを可能にします。本システムは、医療安全の向上、法規制遵守の徹底、運用コストの最適化、そして医療従事者の業務負担軽減に大きく貢献します。

背景と課題

導入の背景

多くの医療機関において、ME機器の管理は専門部署(臨床工学技士室など)が担当しています。その対象は、小型の体温計や血圧計から、大型で据え置き型のMRIやCT装置に至るまで、種類、サイズ、そして管理要件も多岐にわたります。

保有する機器数が少ない段階では、紙媒体や表計算ソフトを用いた手作業での管理も不可能ではありません。しかし、医療の高度化に伴い、機器の種類や数は増加の一途をたどり、管理業務は複雑化しています。このような状況下で、従来の方法では管理漏れやヒューマンエラーのリスクが高まり、機器の効率的な活用や安全性の担保が困難になってきます。

ME機器管理システムを導入することにより、これらの課題を解決し、管理業務の標準化、トレーサビリティの確保、正確な稼働状況の把握、そして迅速な意思決定支援を実現することが不可欠となっています。これにより、医療の質と安全性をさらに高いレベルへと引き上げることが可能となります。

クライアント企業の概要

今回ご協力いただいたクライアント企業様は、医療分野に特化したITソリューションを提供されており、特に手術室支援システムを中核事業とされています。同社のシステムは、その高い信頼性と機能性から、大学病院を含む日本全国300以上の医療機関で導入実績がございます。

ソリューション

プロジェクトの概要

日本市場での豊富な実績を基盤とし、将来的にベトナム市場へのシステム展開というビジョンをお持ちのクライアント様に対し、弊社Omi Japanは、日本国内でのスムーズな導入と、将来的な海外(特にベトナム)でのローカライゼーション(現地語化・最適化)を容易にするシステム構築をご支援させていただきました。

本プロジェクトでは、クライアント様が上流工程(要件定義・基本設計)をご担当され、弊社は詳細設計以降のシステム開発、各種テスト、受け入れテストを支援、そして日本でのリリース後のローカライゼーション工程を担当いたしました。密な連携体制のもと、クライアント様の深い業務知識と弊社の開発力を融合させ、高品質なシステム開発を推進しております。

対象システムの主な機能

  • 機器台帳管理:機器情報の登録・検索・編集・削除、設置場所、稼働状況、耐用年数、貸出状況の一元管理、各種警告(点検時期超過など)通知機能。
  • 部品台帳管理:関連部品情報の登録・管理、在庫数の把握、個別バーコードによる正確な入出庫追跡。
  • 履歴管理:機器ごとの使用履歴、保守・点検履歴、修理履歴など、ライフサイクル全体の情報を可視化。
  • 使用管理:機器の使用開始・終了時刻を記録し、実稼働時間を自動集計。
  • 貸出管理:院内での機器貸出・返却プロセス管理、予約状況の管理。
  • 点検管理:法定点検や定期点検のスケジュール作成、実施記録、計画と実績の管理。
  • 修理管理:修理依頼の受付から進捗管理、部品交換記録、完了報告書の作成支援。
  • 問い合わせ・QA管理:機器に関する質問やトラブルシューティング情報の登録・共有、点検・修理依頼へのスムーズな連携。
  • 通知機能:点検時期、修理完了、貸出予約など、関連するイベントに応じた適切なタイミングでの通知送信。
  • バーコード・QRコード連携:スマートフォンカメラやバーコードリーダーを用いて、機器や部品情報を迅速に検索・特定。
  • レポート機能:蓄積された各種記録に基づき、管理帳票や統計レポートを自動生成、印刷・データ出力に対応。

成果

本システムは現在開発段階にありますが、導入により以下の効果が期待されています。

  • 運用効率の大幅な向上:ME機器のライフサイクル全体にわたる情報を正確に管理・可視化することで、計画的な保守・点検を促進し、機器のダウンタイム短縮と保守業務の最適化を実現します。
  • 病院全体の運営改善への貢献:将来的には電子カルテシステムやオーダリングシステム等、院内の他システムとの連携を強化し、よりシームレスな情報共有と業務フローの改善に貢献します。
  • グローバル展開の基盤構築:日本国内での安定稼働と実績構築を経て、将来的にはベトナム国内の医療機関、さらには国家レベルでの導入も視野に入れた、拡張性の高いシステム基盤を構築します。

今後の展望

その情報については、まだ完全に把握できておりません。

PJのサイズ

  • 開始時期:2023年8月~(現在も継続中)
  • 開発種別:新規開発プロジェクト
  • 開発範囲:詳細設計 > 実装 > 単体・結合テスト > UAT支援 > 展開・保守
  • 規模:月あたり約6.5人月 (MM)
  • 使用技術:
    • クラウドプラットフォーム:AWS
    • コンテナ技術:Docker
    • バックエンド:.NET Core
    • フロントエンド:Vue.js
    • モバイル連携:Android (バーコード読み取り等)
  • その他:多言語対応(将来的なベトナム語への展開を前提とした設計)

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