臨床試験 DX

臨床試験領域におけるeConsentシステム開発事例

eConsentシステムとは、臨床試験における説明およびインフォームド・コンセント(同意取得)のプロセスを電子的に実施できるデジタルプラットフォームです。被験者はパソコンやタブレット、スマートフォンなどの端末を通じて、試験内容、リスクやベネフィット、同意書の内容を確認でき、必要に応じて動画やイラストなどの視覚的情報を活用しながら理解を深めた上で、電子署名により同意を行うことが可能です。

背景と課題

システム開発の背景

これまで、臨床試験における説明および同意取得は主に紙ベースで行われてきましたが、COVID-19のパンデミックにより、医療機関における対面接触の機会を最小限に抑える必要性が急速に高まりました。

eConsentシステムを導入することで、被験者は自宅などからオンラインで試験説明を受け、質問・回答・同意を非対面で完結できるようになります。これにより、臨床試験参加に関する説明・確認・承認といった一連のプロセスを自動化・最適化し、対面対応の必要性を大幅に削減することが可能です。

クライアントについて

本プロジェクトのクライアント様は、医薬品開発支援を専門とする日系CRO(医薬品開発業務受託機関)であり、グローバル展開およびヘルステック領域における技術革新にも積極的に取り組まれております。

2018年にはビジネス構造の再編を行い、外部委託に全面的に依存しない内製開発体制の構築を目指されておりました。

ソリューション

プロジェクト概要

Omi Japanはこれまで、クライアント様の中核システムであるEDC (Electronic Data Capture) システムの開発を4年間にわたりご支援してまいりました。

その実績をご評価いただき、新たにeConsentシステムの開発をご依頼いただいたことから、本プロジェクトがスタートいたしました。これは、臨床試験全体を包括的に支えるエコシステムの構築を目指す中での取り組みです。

クライアント様は社内にシステムエンジニアを有していなかったため、Omi Japanのコンサルタントが要件定義段階から参画し、業務理解や既存外注システムの調査を通じて、設計・開発・テスト・運用保守までワンストップでご支援いたしました。

主な機能

  • 試験情報管理機能:試験に関する文書(試験内容、科学的根拠、実施方法など)、説明用動画、同意取得結果の記録・管理
  • ビデオ通話機能:医師と被験者間での説明・相談・質疑応答をオンラインで実施
  • ログトラッキング機能:被験者が必要な説明内容をすべて閲覧・理解したかを確認するための詳細なログ管理機能
  • 電子署名機能:日付や署名情報の記録・保管に対応
  • CDMS (Clinical Data Management System) との連携:取得情報を他システムへ連携・保存

本システムは、厚生労働省が定める臨床試験関連ガイドラインに準拠しており、日本国内の臨床業務の実態に即した仕様設計・開発を、クライアント様とともに実施いたしました。

成果

eConsentシステムは予定通りにリリースされ、現在導入され、以下のようなメリットが実現しました:

  • 同意取得および記録のプロセスが電子化され、紙ベースでの作業が不要に
  • オンラインよる迅速なアクセスが可能となり、被験者からの同意取得が円滑に進行
  • データの検索性と保存性が向上し、ヒューマンエラーの削減に寄与
  • セキュリティ対策が強化され、個人情報漏洩のリスクが低減

PJのサイズ

使用技術

  • フロントエンド:Angular
  • バックエンド:PHP (Laravel)
  • データベース:AWS RDS for MySQL
  • サーバー:Apache Web Server(AWS EC2上)
  • クラウドインフラ:AWS EC2、RDS、S3

プロジェクト規模

  • 開発期間:4ヶ月
  • 開発工数:20人月

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