ヘルスケア DX
生命保険会社向け健康サポートアプリ(PHRアプリ)
昨今、いつでもどこでも医療情報を閲覧・提示できるPHRに対する関心が高まっており、医療機関と患者をつなぐ新たなチャネルとして注目されています。
背景と課題
クライアント企業について
本プロジェクトのクライアントは、国内最大級の保険グループの一員として、人々の安心と健康を長年にわたって支えてこられた大手生命保険会社様です。医療保険、がん保険、収入保障保険など幅広い商品ラインアップを展開し、全国に展開された損害保険代理店ネットワークを活用した強固な販売基盤を有されています。
近年では、健康増進型保険やデジタルヘルスとの連携を通じ、「保険+健康サポート」という新たな価値提供にも注力。グループ各社や医療機器メーカーとの協業を通じ、インシュアテック領域においても先進的な取り組みを数多く展開されています。
ソリューション
ソリューション概要
本プロジェクトでは、ユーザーの健康維持・疾病予防をサポートし、健康的な生活習慣の定着を促すことを目的としたスマートフォン向けPHRアプリを開発しました。本アプリは、単なる保険金給付にとどまらず、「健康を守る」体験を提供することで、ユーザーとのエンゲージメントを高め、他社との差別化を図ることを目的としています。
Omi Japanは、要件定義フェーズから開発・テストに至るまでワンストップで対応しました。特に、本アプリではイスラエル企業のサービスを組み込む必要があったため、Omi Japanのエンジニアが現地に赴き、顧客の代理として現地企業との交渉・仕様調整も担当いたしました。
主な機能の特長
健康診断データを用いた健康リスク予測
ユーザーが健康診断の結果を撮影してアップロードすると、アプリ内のOCR機能が画像から主要な健康指標をテキスト化。さらに、(外部の)AIモデルを活用し、今後6年間に11種類の健康リスクが発生する可能性を予測します。
生活習慣情報によるリスク予測
セルフ問診機能により、ユーザーは日々の食事、飲酒、喫煙、運動、睡眠などの生活習慣に関する質問に回答。これにより、生活習慣起因のリスクをスコア化します。
カメラを活用したストレス評価
ユーザーの顔をスマートフォンのカメラでスキャンし、TPO(起床時、就寝前、運動前後、仕事中など)に応じてストレスレベルを「低」「中」「高」で可視化します。
健康改善のためのアクション提案
分析結果に基づき、運動の促進、食生活の改善など、健康維持・増進のための行動を「アクションカード」として提案。ユーザーは楽しみながら一歩ずつ取り組むことができます。
日々の活動の自動記録
歩数などの活動量を自動で記録。Apple Health、Fitbit、Google Fitなどと連携して、体重・血圧などの健康データを一元管理することも可能です。
目標達成に応じたメダル機能
ユーザーの行動を可視化し、モチベーション向上のためのメダルを付与するゲーミフィケーション機能も搭載しています。
成果
予定通りApp Storeにリリースされ、仕様をすべて満たした形で公開されました。リリース直後からエンドユーザーより高評価を獲得しており、初期フェーズながらも多くの健康志向ユーザーからポジティブなフィードバックが寄せられています。
今後は、さらに利用データの分析を深めることで、個別最適化された健康アドバイスの強化や、他サービスとの連携による付加価値の拡大が期待されています。
PJのサイズ
- 開発期間:12ヶ月
- 体制規模:13名(PM、SE、BrSE、PG、Tester)
- バックエンド:Java、PostgreSQL、AWS Lambda
- iOS:Swift
- Android:Kotlin
- インフラ:AWS
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